KeylightはAfter Effectsにおける、本格的なクロマキー合成を行うためのソフトウェアです。グリーンスクリーンやブルースクリーンのキーを抜いてレイヤーにアルファチャンネルを適用します。After Effectsにもキーイングに使用するツールはありますが、実写のクロマキー合成を行うのであれば、keylightの一択となります。
※サードパーティの有料プラグインであればPrimatteKeyerが非常に優秀。
「Screen Colour」を設定した後、キーイングを行った結果として作成されたマットの品質確認を行うことができます。下記に説明する9つの要素が選択でき、さまざまな観点からチェックができるようになります。
RGBチャンネルに対しプリマルチプライ(αチャンネルをあらかじめRGBに乗算した上で)出力するか、アンプリマルチプライ(ストレートRGB)を使用するかのどちらかを選択できます。デフォルトではアンプリマルチプライが選択されていますが、チェックボックスを外すとRGBチャンネルに対して一度αチャンネルが適用(乗算)されさらにαチャンネルを適用するためフリンジが発生することになります。
※特にそのままにしていても問題ないでしょう。
キーアウトさせたい色(背景)の色を選択します。
選択した色をキーアウトする範囲の強さを調整します。値を大きくするとより多くの範囲が消え、小さくするとキーアウトしなくなります。
選択したスクリーンカラーを中心にキーアウトする色相の幅を調整します。1(最大では)選択した色を中心とした2点の色相のポイントが狭くなり、キーアウトされる範囲が少なくなります。また0(最小)に設定すると色相のポイントが広くなりより多くの範囲がキーアウトされます。
反射や、髪などに残るグリーン・ブルースクリーンの背景色を除去する(スピル除去)際に使用する。通常は直下の「Alpha Bias」と同じ色が選択されており、除去したポイントをキーアウトしないように設定される。
通常はDespill Biasと同じ色が選択されています。直下の『Lock Biases Togerther』からチェックを外すと別の色が選択可能になります。通常は同色を選択することでベストな結果が得られることがほとんどですが、素材によっては別の色を選択することでエッジのキーアウトが最適化されるケースもある。
Biasで選択される色を統一するチェックボックス。通常はオンの状態で問題ない。
マットを生成する前段階で元素材に対してブラーをかけます。若干ぼかすことでノイズの多い素材などの場合抜けの結果が良くなる場合があります。
※単純にエッジだけをぼかしたいのならば『Screen Matte』のScreen Softnessを使用します。
生成されたスクリーンマット(αチャンネル)の調整を行うパラメーターが複数含まれます。
・Clip Black
アルファチャンネルのレベル補正です。
値が大きくなればなるほど、キーアウトされていない範囲が狭くなります。
・Clip White
アルファチャンネルのレベル補正です。
値が大きくなればなるほど、キーアウトされていない範囲が広くなります。
・Clip Rollback
αマットの表示(白)領域を中心にしてエッジ周りからClip Blackでカットした範囲をもとに戻していきます。
少しでもホワイト領域が残っていればそこから周囲に広がっていきます。
・Screen Shrink/Glow
αマットに対して値を大きくするとグローがかかり、表示範囲を広くする効果が生まれます。
反対に値をマイナスにするとエッジをシュリンク(カットしていく)するため表示範囲が狭くなります。
・Screen Softness
αマットに対してブラーをかけます。
・Screen Despot Black
Despotはマットの情報量をシンプルにする効果があります。
具体的にはαマットの採取したポイントのピクセルを中心としてドットから円を生成し色数を現象させます。
値が大きくなるにつれて明るい範囲を円状で広くしていきます。
・Screen Despot White
Despot WhiteはBlackとは逆に、暗い範囲を徐々に広く、円を大きくしていきます。
・Replace Method
選択したスクリーンマットのなかで、被写体へのグリーン/ブルーバックの反射、微妙なエッジの処理など、
意図しないピクセルのαチャンネルが半透明になっている箇所をパラメーターで調整して埋めた際、合成する
RGBイメージをどのように処理して置き換えるかをしています。
[None] ・・・ 置き換えをせずにキーアウト後のRGB背景の色をそのまま使用します。
[Source] ・・・ エフェクトを適用する前の状態のRGB背景の色を使用します。
[Hard Color] ・・・ マットを不透明にした箇所に指定した色をそのまま置き換えます。
[Soft Color] ・・・ マットを不透明にした箇所にうっすらと指定した色を適用します。
・Replace Color
置き換える色をピッカーなどで選択、指定します。
当該のレイヤーに対して設定したマスクを使って意図しないスクリーンマットの不透明部分を直接指定します。
・Inside Mask
使用するマスクを選択します。
・Inside Mask Softness
マスクのエッジをぼかします。
・Invert
マスクの指定個所を反転します。
・Replace Method
選択したマスクの範囲を埋めた際、合成するRGBイメージをどのように処理して置き換えるかをしています。
※基本的にScreen Matteの処理と同じ考え方で動作します。
[None] ・・・ 置き換えをせずにキーアウト後のRGB背景の色をそのまま使用します。
[Source] ・・・ エフェクトを適用する前の状態のRGB背景の色を使用します。
[Hard Color] ・・・ マットを不透明にした箇所に指定した色をそのまま置き換えます。
[Soft Color] ・・・ マットを不透明にした箇所にうっすらと指定した色を適用します。
・Replace Color
置き換える色をピッカーなどで選択、指定します。
・Source Alpha
もともとソースに含まれているαチャンネルをどのように扱うか選択します。
[Ignor] ・・・ もともとあるαチャンネルを無視します。
[Add to Inside Mask] ・・・ もともとあるαチャンネルのみでマットが作成されます。
[Normal] ・・・ もともとあるαチャンネルはマスクでも不透明に指定できません。
当該のレイヤーに対して設定したマスクを使って透明にしたい範囲を直接指定します。
・Outside Mask
使用するマスクを選択します。
・Outside Mask Softness
マスクのエッジをぼかします。
・Invert
マスクの指定個所を反転します。
キーアウトで取り出したレイヤーの細かなカラーコレクションができます。
・Enable Colour Correction
カラーコレクションのパラメーターを調整可能にするオンオフ。
・Saturation
レイヤーの彩度を調整します。
・Contrast
レイヤーのコントラストを調整します。
・Brightness
レイヤーの明るさを調整します。
・Suppress
レイヤーから特定の色を抑制します。グリーンスクリーンではGreenを選択すると一般的に役立ちます。
・Suppression Balance
選択した色を中心に抑制する色相の幅を調整します。
100(最大では)選択した色を中心とした2点の色相のポイントが最大になりより広い範囲の色が抑制されます。
また0(最小)に設定すると色相のポイントが狭くなり抑制される色が少なくなります。
・Suppression Amount
色を抑制する強さを調整します。値を大きくすると大きく選択した色がカットされます。
・Colour Balancing
レイヤー全体に色のフィルターを加えます。
色の方向と強さのパラメーターがあり、数値とウィールの両方で調整可能。
マットの境界線のみに細かなカラーコレクションができます。
・Edge Hardness
境界線の硬さを調整します。値を大きくすると調整の影響を受ける範囲がぱっきりと切り分けられます。
・Edge Softness
境界線にぼかしを調整します。
値を大きくすると影響範囲が広く、あいまいになります。
・Edge Glow
境界線にグローをかけたように周囲に範囲を膨張させます。
ぼかしと違い影響範囲自体がその強度を保ちつつ広くなる。
・Saturation
選択した境界線範囲の彩度を調整します。
・Contrast
選択した境界線範囲のコントラストを調整します。
・Brightness
選択した境界線範囲の明るさを調整します。
・Suppress
選択した境界線範囲から特定の色を抑制します。
グリーンスクリーンではGreenを選択すると一般的に役立ちます。
・Suppression Balance
選択した色を中心に抑制する色相の幅を調整します。
100(最大では)選択した色を中心とした2点の色相のポイントが最大になりより広い範囲の色が抑制されます。
また0(最小)に設定すると色相のポイントが狭くなり抑制される色が少なくなります。
・Suppression Amount
色を抑制する強さを調整します。
値を大きくすると大きく選択した色がカットされます。
・Colour Balancing
レイヤー全体に色のフィルターを加えます。
色の方向と強さのパラメーターがあり、数値とウィールの両方で調整可能。
レイヤーをX、Y座標軸のいずれかでクロップ(カット)したり、リピートしたりできます。
・X or Y Method
X、またはY座標のそれぞれで、どのような処理を行うか選択できます。
[Colour] ・・・ 端からレイヤーをクロップします。
[Repeat] ・・・ 選択した座標のピクセルを繰り返す。
[Reflect] ・・・ 座標方向に反転した素材を重ねて繰り返し表示する。
[Wrap] ・・・ 座標方向に素材を重ねて繰り返し表示する。
・Edge Colour
Colourでクロップした範囲を指定した色で埋める。
・Edge Colour Alpha
Colourでクロップした範囲の不透明度を調整。
・Left or Right or Top or Bottum
それぞれの方向で、指定した方法で処理を行う際の効果の増減を調整する。