イメージを「変形元マスク(イメージを変形させる筆)」と「境界マスク(変形が影響する領域)」の2つのマスクを使ってゆがませます。にじみという名称でインクのにじみのようなものを連想するかもしれませんが(実際そのような誤った解説も見たことがあります、、)、実際は『CC Smear』や『ゆがみ』エフェクトに類似しています。ゆがませる領域とゆがませるための筆をマスクで任意の形に調整できるので非常に柔軟なゆがみ効果をイメージに与えることができます。
※マスク設定をあらかじめ適切に行わないと効果が反映されないため少々とっつきづらいですが、覚えてしまえば様々な場面で使用できる便利なエフェクトです。
変形元マスク
「変形元マスク」は「境界元マスク」内のイメージのピクセルを移動させる筆のような役割のマスクです。エフェクトを適用しているレイヤーの2番目に設定されたマスクが自動的に設定されます。
※「変形元マスク」はイメージ内の「境界マスク」の中か、「境界マスク」と一部重なっている必要があります。そうでなければイメージに変化が現れません。
境界マスク
「境界マスク」はイメージ内で本エフェクトの歪み効果の影響を受ける範囲を限定するための役割を持つマスクです。「境界マスク」外の範囲は歪みが発生しません。
マスクオフセット
「変形元マスク」として設定したマスクの形状でイメージのピクセルを移動させ歪めます。「変形元マスク」の位置を起点として、マスクオフセットで移動した先までイメージがゆがみます。※マスクオフセットで移動した範囲はレイヤー上マスクのアウトラインとは別に、アウトライン(内側白、外側黒)が画面上に表示されます。
マスク回転
「変形元マスク」として設定したマスクの形状でイメージのピクセルを回転させ歪めます。「変形元マスク」の角度からどれだけ回転させたかでゆがみの強度が変わります。※マスクオフセットで回転した範囲はレイヤー上マスクのアウトラインとは別に、アウトライン(内側白、外側黒)が画面上に表示されます。また、回転は残念ながら180度が最大値で、180度を超えた時点で逆回転と同じ状態になるため、渦のような表現ができません。
マスクスケール
「変形元マスク」として設定したマスクの形状でイメージのピクセルを拡大、縮小させ歪めます。「変形元マスク」の大きさをもとに、どれだけ拡大、縮小したかでゆがみの強度が変わります。※マスクオフセットで拡縮した範囲はレイヤー上マスクのアウトラインとは別に、アウトライン(内側白、外側黒)が画面上に表示されます。
パーセント
歪みの強度を調整します。100%にすると、「マスクオフセット」、「マスク回転」、「マスクスケール」で変更した位置がそのまま反映され、50%になるとその半分の値(距離、回転、スケール)となり0%だと変化が見られなくなります。
弾性
「弾性」では歪みで移動した際のレンダリングの制度を調整します。
「硬い」がもっとも粗くなり、曲線部分がガタつきます。下のオプションほど繊細に処理され、「超液状」になると非常に精密なレンダリングが行われますが、その分レンダリングの時間がかかります。
「超液状」は現実的なレンダリング時間ではないので、極力ガタつきが目立たない範囲で「硬い」に近いものを選択というオペレーションが一般的です。
計算密度
キーフレーム間の処理方法を選択します。2点のキーフレーム間の処理おいて連続したアニメーションとして処理するかそうでないか、またアニメーションのつなぎの滑らかさを3つのオプションから選択します。
[不連続]
キーフレーム間のピクセル移動を連続したアニメーションとして補間しません。フレーム間で前後のフレームを考慮せず処理が行われるため、フレームが切り替わったさいにピクつきます。
[リニア]
キーフレーム間のピクセル移動を連続したアニメーションとして補間します。フレーム間で前後のフレームを考慮して処理が行われるため、フレームが切り替わったさいにピクつくことなくピクセルが移動します。スムーズと異なり、キーフレームが切り替わるタイミングでも等速でピタッと止まったり、かっちりとした動きをするため機械的な動きに見えます。
[スムーズ]
キーフレーム間のピクセル移動を連続したアニメーションとして補間します。フレーム間で前後のフレームを考慮して処理が行われるため、フレームが切り替わったさいにピクつくことなくピクセルが移動します。リニアと異なり、キーフレームが切り替わるタイミングでフェアリング処理により滑らかに停止したり、ふんわりとアニメーションがつながる動同さをするため自然なアニメーションに見えます。